「コードが書けなくても、アプリが作れる」。最近はそんな言葉を目にする機会が増えました。Claude Codeのように、やりたいことを言葉で伝え、AIとやり取りしながらファイルを作ったり、直したり、確認したりできる道具が出てきたからです。

これは大きな変化です。けれど、ここで一つ誤解しやすいことがあります。AIに「予約システムを作って」と言えば、予約システムが完成する。AIに「ホームページを作って」と言えば、そのまま公開できる。そんなふうに考えると、途中でかなり困ります。

AIが強くなった今ほど、最初に考えるべきなのはプログラミング言語ではなく設計です。誰が使うのか。何を入力するのか。間違えたときにどう戻るのか。どのタイミングで人が確認するのか。この四つが決まっていないと、AIはそれらしいものを作れても、使い続けられるものにはなりません。

参考動画(英語)です。この記事では動画内の「短時間で作れる」という表現をそのまま結論にせず、AIに制作を頼むときに初心者が最初に決めるべきことを整理します。

参考動画をYouTubeで見る:I Made $20K In 7 Days

AIが作ってくれる範囲と、人が決める範囲は違う

Anthropicの公式案内では、Claude Codeはコードベースを読み、複数のファイルにまたがる変更を行い、テストを実行するためのエージェント型の開発ツールとして紹介されています。言葉で目的を説明できる人にとって、ソフトウェアづくりへの入口が広がったのは確かです。

ただし、AIが勝手に「この教室にはどんな予約ルールが合うか」「お客様の個人情報をどこまで保存してよいか」「キャンセルが入ったら誰に知らせるか」まで正しく決めてくれるわけではありません。ここは、使う側が決めなければいけません。

たとえば、同じ「予約フォーム」でも、実際にはいくつもの選択があります。

  • 予約できるのは生徒本人だけか、保護者も操作するのか
  • 変更は何日前まで受け付けるのか
  • 満席になったとき、待ちたい人に何を見せるのか
  • 予約が入ったことを、誰にどう知らせるのか
  • 体験予約と既存生徒の予約を、同じ画面で扱うのか分けるのか

この部分を曖昧にしたまま作り始めると、見た目だけはあるのに、実務で使えない画面ができあがります。AIが悪いのではありません。最初の指示に、運用のルールが入っていないからです💦

最初の設計は、難しい資料でなくていい

「設計」と聞くと、専門的な図や仕様書が必要に思えるかもしれません。でも、最初は紙一枚でも構いません。むしろ、小さな仕事ほど、次の四つを書き出すだけで十分なことが多いです。

  1. 誰が使うか:お客様、スタッフ、自分、取引先のどの人が画面を見るか。
  2. 何をしたいか:予約する、確認する、下書きを作る、数字を集計するなど、最初の目的を一つに絞る。
  3. 何を入れるか:名前、日付、メールアドレス、商品名など、本当に必要な入力だけを選ぶ。
  4. 何が起きたら止めるか:金額の確定、外部への送信、個人情報の変更など、人が確認する地点を決める。

ここまで決めてからAIに頼むと、会話が変わります。「予約システムを作って」ではなく、「既存生徒が自分の予約を確認・変更できる画面。予約変更は二日前まで。空き枠だけ表示。変更後は教室へ通知する。金額は扱わない」と具体的に伝えられるようになります。

細かく伝えるほど、AIに任せることが減るようにも見えます。でも逆です。人が決める部分を先に決めれば、AIは迷わず、繰り返し作業を速く進められます。説明が曖昧なまま何度も作り直す時間の方が、ずっともったいないのです。

SCROOMで作ってきた仕組みも、「困りごと」から始まりました

SCROOMでは、授業の予約や教材、ニュースの公開、ホームページの更新など、教室運営に必要な仕組みを少しずつ整えてきました。最初から大きなシステムを作ることが目的だったわけではありません。

生徒さんが予約を確認しやすくしたい。教材や練習問題を渡しやすくしたい。ホームページの情報を自分たちで素早く更新したい。こういう具体的な困りごとが先にありました。AIは、そのための制作速度を上げたり、下書きを作ったり、確認漏れを見つける助けになっています。

ここで意外と大事なのは、完成直後の状態です。作った仕組みは、一回動けば終わりではありません。実際に使うと、「この文言では分かりにくい」「スマホだと押しにくい」「通知を見落とす」「例外の時に困る」といったことが出ます。そこを直していく過程に、次の制作のヒントがあります😅

AIで作ったものを実績にするなら、完成画面だけを見せるより、どんな困りごとを、どう分けて、何を人の確認に残したかまで説明できる方が強いと思います。企業やお店が本当に知りたいのは、派手な画面より「自分の現場でも使えるのか」です。

「作れる」と「公開してよい」は別の話

AIでホームページやツールを作ると、見た目ができた時点で達成感があります。そこで公開したくなる気持ちはよく分かります。ただ、公開前には別の確認があります。

  • リンク先は正しいか
  • スマホでも文字やボタンが見切れないか
  • フォームを送ったとき、必要な人にメールが届くか
  • 入力された内容や画像を、意図しない場所へ出していないか
  • 古い料金・日時・コース名が残っていないか
  • 更新した後、トップページや一覧にも反映されるか

この確認は地味です。でも、公開後に困るのはほとんどこの部分です。AIは制作の相棒になれますが、公開の責任まで引き受けてくれるわけではありません。だからこそ、作る役と確認する役を分ける、テスト用の入力で確かめる、問題が起きたときに止められるようにしておく、といった運用が必要になります。

AIに任せる範囲が広がるほど、人が見るべき場所が減るのではなく、むしろはっきりします。そこを見つけられるようになると、AIを怖がらずに使えます。

初心者が最初に作るなら、「自分だけが使う小さな道具」がおすすめ

いきなりお客様向けのシステムを作る必要はありません。最初の制作物としては、自分の仕事を少し楽にする小さな道具が向いています。

例えば、よく書く案内文の下書きを作るページ、写真のファイル名を整理するための一覧、毎月の売上を確認する表、講座や商品のアイデアを整理するメモ。外部の人へ影響しないので、試して失敗して、また直す練習ができます。

一度自分で使ってみると、「入力欄は少ない方がいい」「最初に例を出した方が迷わない」「結果だけでなく途中の確認が必要」といった感覚が出てきます。この感覚は、次に誰かのための仕組みを作るときにそのまま使えます。

まとめ:AI時代の制作は、指示力より「現場を聞く力」

AIに上手な指示を出す技術は、もちろん役に立ちます。ただ、その前に必要なのは、現場で何が起きているかを聞き取ることです。誰が困っているのか。今はどう処理しているのか。間違えると何が困るのか。完成したら何分短くなるのか。

そこが分かれば、AIはかなり頼れる相棒になります。逆に、そこが分からないままでは、どれだけ最新のAIを使っても、見栄えだけのものになりがちです。

「自分の仕事で何か作ってみたい」「お店や会社の面倒な作業を整理したい」という方は、無料体験・ご相談で今の困りごとをそのままお聞かせください。コードの名前を知らなくても大丈夫です。まずは、何を楽にしたいかから一緒に整理しましょう。

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